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「子どもも手が離れてきたし、そろそろ仕事で復帰しようかな」
「しばらくブランクがあるけど、未経験の業界で働けるのかな」
そんなお悩みをお持ちの方に人気なのが派遣の事務のお仕事です。
事務のお仕事は未経験OKの求人も多く、比較的仕事内容が似ていることもあり、さまざまな業種の企業にもチャレンジしやすい傾向があります。しかし、ブランクがあるとたとえ経験があったとしても不安になるもの。そこで、今回は派遣事務として未経験の職種や業界へチャレンジをお考えの方に、仕事内容やスキル、準備しておきたいことをご紹介します。
総務省労働力調査(2021年度)によると、日本で派遣社員142万人のうち事務職は34.3%と最も割合が高く、特に女性では48%が事務職として働いています。派遣社員として働くことには多くのメリットがありますが、そのなかでも事務職として働くメリットについて5つ見ていくことにしましょう。
派遣の事務職は、働き方の柔軟性が大きな魅力です。勤務地や勤務時間、残業の有無など、派遣会社を通じて自分の希望に合った条件の仕事を選ぶことができます。たとえば、子どもの帰宅時間に合わせた短時間勤務や、週3~4日といった働き方も可能です。また、派遣の事務職はシフトが固定されることが多く、急な残業や休日出勤が少ないため、スケジュールを立てやすいのもポイントです。
これにより、育児や家事、趣味、介護といったプライベートとの両立がしやすくなります。仕事によって私生活に影響が出ることなく、自分に合った働き方を実現しやすいのが、派遣事務の特徴といえるでしょう。
派遣の事務職は求人数が多く、幅広い職種から自分に合った仕事を選びやすいのが特徴です。事務業務は、正社員だけでなく派遣社員でも対応できる役割が多いため、企業が派遣を活用するケースが増えています。その結果、営業事務や経理事務、総務事務といった専門性の高いものから一般事務まで、さまざまな求人が見つかります。
特に事務経験がある方にとっては、これまで培ったスキルを活かせる仕事に出会いやすい環境です。また、企業側も即戦力を求めていることが多いため、スキルや経験にマッチした条件の求人が見つかる可能性が高いです。加えて、年度末や新年度、賞与支給後など特定の時期には求人が増える傾向があり、転職活動を始めるタイミング次第でさらに多くの選択肢が広がるでしょう。
派遣の事務職は、パートやアルバイトに比べて時給が高い傾向があります。たとえば、一般事務や営業事務の派遣求人では、東京都内では時給1,500円前後が多く、アルバイトやパートの平均時給である1,200円前後と比較しても、より高い収入を得ることが可能です。
特に事務経験を活かせる派遣の仕事では、時給2,000円以上の求人もあり、スキルに応じた報酬を得られる点が魅力です。派遣の求人は時給が明確に記載されているため、自分の働き方や希望に合った条件を選びやすいという利点もあります。
派遣の事務職は、大手企業や金融業界など、安定した企業で働けるチャンスが多いのが特徴です。派遣社員は有期契約が基本のため、数か月から最長3年で職場が変わることが一般的で、複数の企業で業務経験を積むことが可能です。特に中途採用では入社が難しい有名企業や、損害保険会社などの金融業界でも派遣社員を受け入れているケースが多く、そうした環境で働けることが派遣の大きな魅力となっています。
たとえば、一般事務や営業事務といったポジションで、金融業界ならではの専門知識や業務フローに触れることで、スキルアップやキャリア形成につなげることができます。また、異なる企業文化や業務スタイルを体験することで、柔軟性や対応力を身につけることも可能です。
派遣の事務職では、派遣会社の手厚いサポートを受けられるのが大きなメリットです。初めての仕事探しや派遣期間終了後の次の仕事探しの際には、希望条件やスキルに合った職場を紹介してもらえるため、求職活動の負担を軽減できます。また、キャリアプランや働き方の相談にも対応しており、将来を見据えたサポートが受けられます。
さらに、就業中に職場でトラブルが発生した場合や、勤務条件に関して相談したいことがあるときなど、派遣会社が間に入って対応してくれるため、安心して働き続けることができます。加えて、ビジネスマナーやPCスキルなどの研修を提供している派遣会社もあり、スキルアップの機会も充実しています。
こうした総合的なサポート体制は、派遣ならではの大きな魅力と言えるでしょう。
派遣の事務職には、さまざまな職種があり、それぞれに特徴的な業務があります。一般事務や営業事務など、事務職として幅広いスキルを活かせる職種から、専門性が求められる分野まで、多彩な選択肢があるのが魅力です。ここでは、派遣で人気の6つの職種について、それぞれの仕事内容を詳しく紹介していきます。自分に合った職種を見つける参考にしてください。
書類作成やデータ入力、ファイリング、電話応対、来客対応など、オフィス内でのサポート業務を幅広く担当します。また、備品管理や郵便物の仕分けなど、職場によって求められる業務は多岐にわたります。
●特徴オフィスワークの基本スキルを磨ける職種で、一般企業や行政機関など、幅広い業界で活躍できます。業務の幅広さから、事務職の基礎的なスキルを学びたい方に最適で、キャリアの土台作りに役立ちます。
●こんな方に向いています前職で基本的な事務経験があり、幅広い業務に挑戦したい方。初めてのオフィスワークでスキルを身につけたい方にもおすすめです。
営業部門を支える役割として、見積書や契約書の作成、受発注処理、顧客データの管理、電話やメールでの問い合わせ対応などを行います。営業担当者と密に連携することが多い仕事です。
●特徴迅速で正確な作業が求められるため、調整力やコミュニケーションスキルを活かせます。製造業やサービス業など、さまざまな業界での経験が積める点が魅力です。
●こんな方に向いています営業アシスタントやカスタマーサポートの経験がある方。細かい調整業務や顧客対応を得意とし、サポート業務にやりがいを感じる方に向いています。
伝票処理、仕訳入力、入出金管理、請求書や領収書の作成、決算業務の補助など、会社の財務や会計に関わる業務が中心です。
●特徴経理に関する専門スキルが身につき、資格取得やキャリアアップを目指せる職種です。製造業や金融業界での経理業務は、特に経験が重視される傾向があります。
●こんな方に向いています簿記資格を活かしたい方、または前職で経理経験がある方。数字に強く、正確なデータ処理が得意な方に適しています。
社内の備品管理、勤怠データの管理、社内イベントの調整、社内規程の作成など、会社運営を支える幅広い業務を担当します。また、従業員からの問い合わせ対応やサポートも行います。
●特徴従業員のサポートや社内環境の整備に携わるため、会社全体を見渡せるポジションです。特に中小企業では、幅広い業務経験が積めます。
●こんな方に向いています人のサポートが好きで、職場環境の改善に関心がある方。オフィス全体を支える役割にやりがいを感じる方におすすめです。
お客様からの問い合わせ対応や、商品・サービスに関する説明、トラブル対応などを電話やメールを通じて行います。カスタマーサポートの一環として、企業の顔となる役割を果たします。
●特徴迅速かつ丁寧な対応が求められる職種で、接客や営業経験がある方がスキルを活かせる場面が多いです。幅広い業界で経験を積むことができます。
●こんな方に向いています接客業や販売職の経験があり、人と接することが好きな方。顧客満足度を高めることに意欲的な方に適しています。
銀行や証券会社、保険会社など、金融機関での事務業務を担当します。具体的には、口座開設や保険契約に関する手続き、データ入力、顧客情報の管理、問い合わせ対応などが主な仕事です。窓口対応や電話応対を含む場合もあります。
●特徴正確さやスピードが求められる職種で、金融に関する基本的な知識が身につきます。また、銀行や保険会社など大手企業で働く機会が多いことも魅力です。金融業界特有のルールや業務フローに触れることで、専門性を高めることができます。
●こんな方に向いています銀行や保険会社などでの経験がある方、もしくは金融業界に興味がある方。細かい作業や正確性を重視する仕事にやりがいを感じる方におすすめです。
以上が派遣事務で人気の6つの職種とその特徴です。それぞれの仕事内容や特徴を参考に、自分に合った仕事を探してみてください。
また、金融事務の中には、「損保事務」という仕事もあります。これは損害保険会社や代理店で、保険契約や保険金支払いに関する手続きなどを行う専門性の高い事務職です。損保事務に興味がある方は、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
関連記事:損保事務の仕事は特殊なスキルが必要?未経験でも大丈夫なのか解説
事務職では、業務を円滑に進めるために必要なスキルと資格が求められることが一般的です。特に派遣事務の場合、即戦力としての役割が期待されるため、基本的なビジネスマナーやPCスキルに加え、専門的な資格やスキルが活かせる場面も多くあります。ここでは、事務職で求められる3つの重要なスキルについて解説します。
事務職では、社会人としての基本的なビジネスマナーが重要です。電話応対や来客対応、メールの書き方といった基本的なマナーが、企業の印象を左右することもあります。さらに、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を適切に行うことで、上司や同僚との円滑なコミュニケーションが可能になります。
●ポイント時間厳守や身だしなみなど、ビジネスの基本を守る姿勢が求められます。また、社内外の人とのやり取りが多い業務では、明るく丁寧な対応が信頼構築につながります。
事務職で最も重要なスキルの一つが、PC操作です。特に、WordやExcelといったオフィスソフトの基本操作は必須です。Wordでは文書作成や表の挿入、Excelでは基本的な関数やデータ整理のスキルが必要とされることが多いです。また、ビジネスメールの送受信やインターネットでの情報検索スキルも欠かせません。
●ポイント基本的なタイピングスピードが求められるほか、派遣先によってはPowerPointや専用システムの使用スキルが求められる場合もあります。スキルに自信がない場合は、派遣会社が提供する研修制度を活用するのも一つの手です。
事務職では、特定の業務に役立つ資格を取得していると、選べる求人の幅が広がります。たとえば、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は、WordやExcelを使いこなせることを証明できる資格として、多くの企業で評価されています。また、経理関連の業務を目指す場合は日商簿記、英語を使用する仕事ではTOEICなどが役立ちます。
●ポイント資格取得は派遣社員としてのキャリアアップにもつながります。資格取得支援を行っている派遣会社を活用しながら、実務に即したスキルを磨いていきましょう。
派遣事務の仕事では、基本的なスキルから専門的な資格まで、多岐にわたる能力が求められます。特に、PCスキルやビジネスマナーはどの業界でも活用できる汎用性の高いスキルです。また、資格の取得によって、専門性を高めたり、より条件の良い求人に挑戦するチャンスを広げることができます。自分の強みを活かしつつ、スキルアップを目指しましょう。
派遣事務には多くのメリットがありますが、デメリットや注意点も理解しておくことが大切です。ここでは、派遣事務でよく挙げられる2つのデメリットについて詳しく解説します。
派遣の契約期間は、法律により同じ職場で原則3年までと期間制限が設けられています。そのため、気に入った職場があっても長期的に働き続けることは難しい場合があります。契約更新が必要な働き方なので、更新時期ごとに将来の計画を立てる必要があります。しかし、紹介予定派遣や正社員への切り替えを前提とした求人を選ぶことで、安定したキャリアを築くことも可能です。そのためには手厚いサポートをしてくれる信頼できる派遣会社を選ぶことが重要です。
派遣事務では、正社員と比べて定期的な昇給やボーナスがない場合が多く、福利厚生面での差が生じることがあります。ただし、2020年の「同一労働同一賃金」の導入により、派遣社員の待遇改善が進んでいる点は注目すべきポイントです。条件をしっかり確認して求人を選ぶことが重要です。
派遣事務の仕事を始めるには、派遣会社への登録から入社後のサポートまでの手順を理解しておくことが大切です。ここでは、その具体的な流れを5つのステップに分けて解説します。
派遣会社に登録することで、派遣事務の仕事探しがスタートします。登録方法は来社、WEB、電話など派遣会社によって異なります。登録会や登録面談では希望条件や職歴のヒアリングが行われるため、具体的な希望を明確にしておくことが大切です。
登録が完了すると、担当者から条件に合った求人を紹介されます。希望の求人が見つかれば、担当者から詳細情報を提供してもらい、就業イメージを明確にします。
気になる求人へ応募、紹介を受けた際には、事前に仕事内容や職場環境を確認する、職場見学を希望できます。担当者が同行し、不明点を質問するサポートも受けられるため、就業前の不安を解消しやすいステップです。
派遣の場合には職場見学後、就業条件の確認と最終意思決定を行います。条件に納得すれば、派遣会社と雇用契約を締結します。この際、勤務開始日や契約期間、業務内容などをしっかり確認することが重要です。
入社後も、派遣会社が定期的にフォローアップを行います。就業中のトラブルや相談がある場合は、担当者に連絡することで適切な対応を受けられるため、安心して働き続けられます。
仕事開始までの流れは、派遣会社や求人によって異なる部分もありますが、基本的なプロセスを理解しておくことでスムーズに進められます。損保ジャパンキャリアビューローでの登録をご検討されている方は、こちらのページを合わせてご確認ください。
派遣事務の仕事に興味を持った際、気になる疑問は多いものです。ここでは、よくある5つの質問に簡潔にお答えします。
派遣事務は体力的な負担は少ないですが、正確さや効率性が求められます。業務内容や職場環境によって感じ方は異なります。
派遣事務から正社員登用を目指せる紹介予定派遣や、スキルを活かしてキャリアアップできる制度を提供する派遣会社もあります。実際にキャリアアップした方のインタビュー記事などを参考にするのも良いと思います。
▼インタビュー記事はこちら
派遣勤務から正規雇用へ。子育てと両立して希望の事務職キャリアを手に入れられた理由
多くの派遣会社への登録は無料です。ただし、一部で履歴書や職務経歴書の準備が必要な場合があります。それらを準備する費用は自己負担となります。
派遣事務は勤務時間や日数の調整がしやすく、扶養内や短時間勤務など、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
在宅勤務可能な派遣事務の求人も増えています。ただし、求人により条件があったりするため、派遣会社に相談してみるのが良いでしょう。
働き方や制度はさまざまです。疑問を解消し、自分に合った働き方を見つけましょう。必要に応じて派遣会社に相談するのがおすすめです。
損保ジャパンキャリアビューローでも在宅が相談できる求人がございます以下をご参考ください。
ここまで、派遣事務の魅力や働き方、注意点について詳しく見てきました。最後に、派遣事務で成功するためのポイントを3つに分けてご紹介します。ぜひ参考にしてください。
派遣事務でストレスなく働くには、気負わず相談できる環境を活用することが大切です。派遣会社の担当者は、就業中の悩みや職場でのトラブルに対応するサポート役です。困ったことがあれば、早めに相談しましょう。また、自分に無理のないペースで働くことも、長く快適に続ける秘訣です。
長く働き続けるには、自分に合った職場や業務内容を選ぶことが大切です。一口に事務職といっても、業務内容は多岐にわたります。得意な分野や興味のある仕事を選ぶことで、モチベーションを維持しやすくなります。また、キャリアアップなど具体的な目標を持つと、長期的な成長を実感しながら働けます。
派遣事務で経験を積むことは、キャリアアップへの第一歩です。未経験から始められる求人が多い派遣事務は、幅広い業界での経験を積むチャンスです。また、スキルを磨き、資格を取得することで、紹介予定派遣や正社員登用など、さらにステップアップする道も広がります。
今回ご紹介したポイントを参考に、自分に合った仕事を見つけ、前向きに行動を起こしましょう。新しい環境での活躍を応援しています!
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