派遣社員のメリット・デメリットは?正社員との違いも徹底解説 | 損保ジャパンキャリアビューローの求人

派遣社員のメリット・デメリットは?
正社員との違いも徹底解説

派遣社員とは?

派遣とは、派遣元の派遣会社と雇用契約を結び派遣先の会社で働く雇用形態を指します。
自ら会社の求人に応募するのではなく、派遣会社に登録して派遣の仕事を紹介してもらうことでマッチングするのが特徴です。
1986年に施行された労働者派遣法は、労働者を保護するための法律です。
「雇用形態によらない公正な待遇確保」を目的としており、派遣労働者はこの法律によって守られています。
他にも派遣社員にはさまざまなメリットがあるため、派遣社員を選択して働く方は多く、会社も業務内容や期間によっては派遣社員を積極的に活用しています。

派遣社員と正社員の違い

派遣社員のメリットをチェックする前に、派遣社員と正社員の違いを明確にしておきましょう。


雇用主

派遣社員の雇用主は派遣会社です。
派遣社員は派遣会社と雇用契約を結んだ上で、派遣先の会社で派遣先の指示のもと働くことになります。
ですが、雇用しているのは派遣会社のため、社会保険などの手続きは派遣会社が行います。
それに対し正社員は勤務先の会社と直接雇用契約を締結します。
社会保険の手続きや休暇などの労務管理も、正社員の場合は勤務先の会社が行います。
なお、会社に直接雇用されている従業員には、契約社員やパート・アルバイト等さまざまな雇用形態がありますが、ここでは一般的な「正社員」と比較します。


就業日数・時間

派遣社員の就業日数や就業時間は、派遣先によってさまざまです。
派遣社員の希望と派遣先のニーズが一致すれば、週に3日、9時から17時までや、週に5日、10時から14時まで等柔軟な働き方も可能です。
ただし、上限は労働基準法で定められています。
一方、正社員の就業時間は原則フルタイムであり、会社として定められた休日以外は勤務することが多いです。
なお、所定労働時間の上限は派遣社員と同様、労働基準法で定められています。


就業期間

派遣社員は原則として有期契約であり、派遣先の会社と派遣会社間で期間を定めて契約します。
そのため、働ける期間はあらかじめ決まっています。
必要に応じて契約の更新が行われますが、労働者派遣法が2015年に改正され、同じ組織で働ける期間の上限を3年までとしています。
派遣労働者が60歳以上であったり、産前産後休暇や育児休業・介護休業を取得する方の代替として派遣される場合等、一部例外はありますが、基本的に同じ職場で働けるのは最長3年となります。
一方、正社員は多くの派遣社員と異なり無期雇用であるため、会社が定めている定年まで働くことができます。


福利厚生

2020年4月の労働者派遣法の改正により、同一企業内での雇用形態等の違いによる不合理な待遇差が禁止されました。
同一労働同一賃金が前提とされ、派遣先の正社員と業務内容や責任の範囲が同じであれば、派遣社員であることを理由に、待遇に差をつけることは法令違反となったのです。
また、施設利用等の福利厚生や業務の遂行に必要な教育訓練についても、派遣先は派遣社員に対して機会を提供することが求められます。
例えば、社員食堂や休憩室等が派遣社員も使用できるということになります。
細かい福利厚生の内容は派遣先の会社によって異なるので、個別に確認が必要です。


※出典:e-Gov法令検索.「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」
 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=360AC0000000088(入手日付2023/03/03)

派遣社員として働くメリット

給与形態や就業日数など、派遣社員と正社員のさまざまな違いをみてきました。
では、それぞれの具体的なメリットはどんなものがあるでしょうか。
まずは派遣社員として働くメリットを紹介します


柔軟な働き方ができる

派遣社員のメリットは、柔軟な働き方ができることです。
派遣社員は派遣会社からの紹介を受けたり、派遣会社の求人情報を元に仕事に応募することになります。
紹介を受ける場合は、勤務地や勤務時間、就業期間などの条件を派遣会社に伝え、紹介された派遣先の条件を詳しく確認したうえで自分に合うものを選べます。
長時間労働はしたくない、勤務日数が多くなってもいいから午前中だけ働きたいなど、柔軟な働き方も叶えやすいです。
派遣社員は基本的に残業や休日出勤がないことが多いので、趣味や育児、介護に充てる時間が確保しやすく私生活と仕事を両立させた働き方もしやすいでしょう。


スキルを活かして働ける

派遣社員の業務内容や求められるスキルは、派遣先が事前に具体的に派遣会社に提示してマッチングを依頼します。
そのため、派遣社員が現在持っているスキルを活かして働くことが可能です。
また、働き始めてから思っていた業務内容と違ったというミスマッチが起きる心配も少ないといえます。
特定のスキルを磨きたい、志向に合わない仕事はしたくないと考えている場合は、派遣社員のほうが希望を叶えられる可能性が高いでしょう。


職場を変えながら幅広い経験を積める

派遣社員は有期契約であることが多いので、数カ月から最長3年で職場が変わります(一部の例外を除きます)。
つまり、さまざまな職場で幅広い経験を積むことが可能です。
また、正社員として働くのが難しい有名企業が派遣社員を募集していることもあります。
さまざまな環境で学びながら経験を積み、キャリアアップを目指すことも可能です。


パートより時給が高いことも

派遣社員は、パートなど他の非正規雇用社員に比べて給与が高い傾向があります。
派遣社員の採用コストや社会保険料等は派遣会社が負担しており、派遣先のコストが抑えられる等により、派遣社員の時給が高めに設定されることが多く、同じ時間でも効率的に稼げます。


派遣会社のサポートを受けられる

派遣社員になると、派遣会社のサポートを受けられるというメリットがあります。
派遣会社に派遣社員として登録し、初めて仕事を探すときだけでなく、派遣期間が終了した後に次の派遣先を探すときもサポートしてもらえます。
派遣会社は派遣社員のスキルや希望にマッチした派遣先を紹介するため、求職活動の負担が軽いといえるでしょう。
また就業中に派遣先でトラブルが発生したときも、派遣会社に相談できます。
派遣会社が間に入り、派遣先との交渉等を行ってくれます。
ほかに、より良い仕事をするためのサポート体制もあります。
ビジネススキルやエクセル等のOAスキル研修が受講できたり、キャリアコンサルティングをしてくれることもあり、キャリアアップできるのも魅力です。

派遣社員として働くデメリット

派遣社員にはさまざまなメリットがありますが、人によってはデメリットになり得るポイントがあるのも事実です。
メリットとあわせて確認しておきましょう。


雇用が不安定になる

派遣社員は正社員に比べて、雇用が不安定になるというデメリットがあります。
正社員は無期契約で、特別な事情がない限り会社が決めた定年まで勤めることが可能です。
それに対し派遣社員は有期契約であることが多いため、契約が終了したら別の仕事を探さなければなりません。
定期的に職場を変えられるのはメリットにもなりますが、安定志向の方にとってはデメリットにもなり得るでしょう。


気に入った職場があっても最長3年しか働けない

派遣社員は、原則として同じ職場で働くことができるのは最長3年までと法律で定められています。
気に入った職場があったとしても、原則3年経ったら契約を延長することはできず、改めて職探しをしなければなりません。
ずっと同じ職場で働きたいのであれば、正社員を目指すなどの方法を検討する必要があります。


責任ある仕事を任されない

派遣社員は基本的に、責任ある仕事を任せてもらいにくいです。
派遣社員は派遣先の会社が指示するとおりの業務を行うので、裁量のある仕事を任される機会は多くありません。
比較的責任が軽く業務負担が少ないのはメリットですが、責任ある仕事を任されたいと考えている方にとっては物足りなく感じてしまうこともあるでしょう。


正社員として働くメリット

派遣社員と正社員では働き方が大きく異なるので、ここで正社員として働くメリットも紹介します

雇用が安定している

正社員の大きなメリットとして、雇用が安定していることが挙げられます。
正社員は無期雇用であり、基本的に定年まで働くことが可能です。
会社は社員を簡単に解雇できないため、安定して働けます。
職場に不満がなければ求職活動をする必要もないので安心して働けるでしょう。
また収入が安定している正社員は、社会的信用を得やすいというメリットもあります。
社会的信用が高いと住宅ローンやマイカーローンなどの審査にも通りやすくなります。
将来的に家などを購入する予定のある方は正社員のほうが叶えやすいでしょう。


賞与や退職金を受け取れる

正社員として働けば賞与や退職金を受け取れます。
2020年の派遣法改正により、派遣社員でも退職金を受け取れるようになりました。
ただし、すべての派遣社員が退職金を受け取れるわけではなく、細かい条件が設けられています。
また、退職金が受け取れる場合でも、給与に上乗せされて支給されることが多く、一時金としてまとまった退職金が受け取れることは稀です。
それに対し、正社員として働くと多くの場合、賞与や退職金が支給されるので、収入の面で安心感があるといえるでしょう。


昇給や昇格の機会がある

正社員として働くと、昇給や昇格の機会があります。
正社員は勤続年数により昇給するケースが多く、役職がついて昇進、昇格することもあります。
一方派遣社員は、契約時に仕事の内容により時給が決められ、上がることは少ないため、長く勤務することでより多くの給与をもらえるようになるのは正社員の大きなメリットといえるでしょう。


正社員として働くデメリット

正社員として働くほうがいいというイメージを持っている方は多いですが、正社員にもデメリットがあります。

異動や転勤がある

正社員のデメリットとして、人事異動や転勤があることが挙げられます。
正社員は仕事内容が全く異なる部署に異動したり、転居を伴う転勤が決まったりすることも珍しくありません。
会社から異動や転勤の指示が出れば、正社員は特段の事情がない限り原則従う必要があります。
希望する仕事ができなくなったり、転勤により家族に負担がかかったり単身赴任を余儀なくされるなどがデメリットになることもあるでしょう。
※地域限定社員等、正社員であっても契約により転勤範囲が限られていることもあります。


給与を時給換算すると派遣社員より低いことがある

正社員の毎月の給与を時給換算すると、派遣社員より低くなることがあります。
正社員には賞与や退職金がもらえるというメリットがありますが、
休日出勤が多かったり、一定時間までの残業手当が決まっている固定残業代制の場合、
普段の給与を時給換算すると派遣社員より低くなる場合もあります。


労働時間が長くなりやすい

仕事内容が決まっている派遣社員と異なり、正社員は責任のある業務を担い幅広い業務をこなさなければなりません。
そのため、勤務時間が長くなったり、繁忙期に休日出勤が必要になることもあります。
長時間労働は健康に悪影響を与えることもあり、デメリットと言えます。


人間関係の問題が足枷になる可能性がある

人間関係が足枷になる可能性があるのは、正社員として働くデメリットです。
正社員は長く勤務し続けることが多く、場合によっては人間関係の問題に巻き込まれることもあるでしょう。
頻繁に職場の顔ぶれが変わるわけではないことが多いため、人間関係が悪化すると仕事に悪影響を及ぼします。
環境を大きく変えることが難しいからこそ、人間関係がこじれた時のデメリットは大きいでしょう。

派遣社員が向いている人の特徴

派遣社員と正社員のメリットとデメリットを確認すると、人によって向き不向きがあるとわかります。
派遣社員がどのような方に向いているか、チェックしておきましょう。

仕事以外の時間も十分に確保したい

仕事以外の時間も十分に確保したい方には、派遣社員が向いています。
正社員になると、仕事が忙しくなり残業や休日出勤をしなければならないケースも出てくるでしょう。
派遣社員は定時で帰れることが多いので、仕事以外の時間も確保しやすいです。
仕事とプライベートのメリハリをつけて趣味を楽しみたい、育児・介護・勉強などと仕事を両立させたいと考えている方には、派遣社員がおすすめです。


スキルを活かして働きたい

自分が持っているスキルを活かして働きたい方には、派遣社員がおすすめです。
派遣社員の業務内容は決まっており、紹介時に詳細を確認できます。
担当業務は契約で定められた範囲内の仕事であるため、自分が携わりたいと考えている仕事に注力することが可能です。
スキルを活かして特定の業務に集中したい方には、派遣社員が向いているといえるでしょう。


将来は正社員になりたい

将来正社員になりたいと考えている方にも、派遣社員はおすすめです。
紹介予定派遣とは、派遣期間終了後に、会社と本人双方合意のうえで、正社員・契約社員等の直接雇用となる仕組みです。
まずは派遣社員として働きながら仕事内容や職場の雰囲気を理解して、長く働き続けられると判断できてから正社員になりたいと考えている方に適しています。


派遣社員として自分に合った働き方を叶えよう

派遣社員と正社員にはそれぞれメリットがあるため、どちらを選ぶのがよいかは人によって異なります。
プライベートと仕事を両立したい、柔軟に働きたいなどの希望を持っている方は、派遣社員として働くことを検討してみてください。
損保ジャパンキャリアビューローでは、さまざまな働き方に合った仕事を紹介しています。
派遣社員として働き続けたい方はもちろん、派遣社員から正社員・契約社員にステップアップしたい方にもご紹介が可能です。
自分が望む働き方を実現したいと考えている方は、お気軽にご相談ください。


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